このサイトは、デザイン・個人趣味のHPになります。
尚、この中にある文章、イラストなどを無断転載する事を禁止します。

推奨の画面 940×1200 1280×1024

第八話「仮契約」


当りはとても静かだ、まるで全ての音が消えうせ。
この世には静寂しかないように思える。
私はその静寂に違和感を感じて目を開ける。
「っつ!!」
私の目に朝日が差し込む。
まだ起きたばかりで目が慣れていないらしく目の前がクラクラする。
しばらく、たって私は自分の状況に気がついた。
どうやら私は寮の自分のベッドで寝ていたらしい。
しかし、どうにも違和感が頭をよぎる。
「あれ? なんか忘れているような気がする。」
こめかみを抑えて私の記憶が途切れる前のことを思い出そうとする。
「確か・・・えーと、のどかと一緒に帰って。 それから・・・あっ!!」
口に出して記憶を思い出していると、とんでもないことを思い出してしまった。
て言うか、なんで忘れてしまったのだろう?
不意になんで忘れたのかを考えていると、記憶が終る前の私の無様な姿が蘇ってきた。
「ああー、なさけない。 着地に失敗してそのまま気絶するなんて。」
本当に情けない、ある程度は自分の腕に自信はあったのだがそれが仇となってしまった。
余裕をかましてアスナ達を見ていたの失敗の原因だ。
「と、しかし私のベットって事はアスナが運んでくれたのかな?」
昨日の状況から考えてアスナが運んでくれたとしか考えられない。
私はヒョイとベットから飛び起き、昨日のジャンプの失敗での怪我が無いか確認してみる。
腕を伸ばしたり、屈伸したり、蹴りの練習したり。
「よし、いつも通りだね。」
私は小さめのガッツポーズを取る。
「ん、なんかテーブルの上に手紙が置いてある。 なんだろ?」
私はテーブルの上に手紙が置いてあることに気がつき、ヒョイととって誰宛なのか確認してみる。
「えーと、海里へ。 アスナより。」
どうやら、アスナが気絶していた私に宛てたものらしい。
私は手紙を開き中に書いてあることを読む。
内容は、大体の昨日の経緯と私をここまで運んだことと、吸血鬼の正体は自分のクラスのエヴァちゃんであり、かつ魔法使いであるということ。
それと、魔法使いには護衛のパートナーがいるらしく、それが茶々丸さんだと言うことらしい。
「まったく、非常識な。」
なんか、最近私は変な世界に足を踏み入れつつある。
どうも、現実感が無いのでフワフワした状態だ。
だが、放っておくわけにも行かない、どうやらまきえはエヴァちゃんにおそわれたらしく。
これ以上犠牲者を出さないためにもいち早くネギ君とアスナとでエヴァちゃんを止める必要がある。
「よし、そうと決まれば・・・ん? なんかまだ書き置きがある。」
なになに、「昨日はかなりキツそうだったからあんたは今日はじっくり休んで頂戴。」
「え? 今何時?」
おそるおそる、携帯の時間を確認すると。
「い、一時ーーー!!」
私はその時間を確認した瞬間学校への準備をすませ部屋をでていった。


ひとりで、日の高い通学路を走る。
「うえーん!! アスナに木乃香にネギ君も私が皆勤賞狙ってるって知ってるのにーー!!」
私はそんな事をいいながら学校へと走っていると、目の前の横の路地から人影が出てくるのが見える。
しかし、全力に近いスピードで走っている私はその人影をよけられもせずに
「退いて、退いてーーーー!!」
「ん?」
「「ぎゃう!?」」
物の見事にぶつかってしまう。
私は目の前がクラクラするのを我慢しながらぶつかってしまった相手を探す。
すると、目の前に座り込んでいる女の子はこともあろうに、あの話題の吸血鬼であった。
「あ、あれ!? エヴァちゃん!?」
私は間合いを取りつつ警戒する。
エヴァちゃんはそんな私を面白そうに眺める。
「な、なによ。」
スポーツバックの中にある、スケボーをいつでも取り出せる状態でエヴァちゃんに更に話しかける。
「フッ、そう警戒するな。 私は満月が通過すると魔法使いとしても、吸血鬼としても能力はガタ落ちするのでな。」
両手をひろげてエヴァちゃんはヤレヤレといった表情で私に話しかける。
しかし、さっきの話しを聞くと今ならば私だけでもなんとかなるんじゃないかと思わせる。
その意気込みに気がついたのかエヴァが目を細めて私を見つめたあと口を開く。
「ほう、思ったより冷静なようだ。 僅かな言葉を交わしただけで行動に移せるか否かを判断するとは。」
エヴァちゃんはなにが愉快なのかその場で笑い出した。
その行動に私は戸惑い出鼻をくじかれる。
「いや、失敬。冷静で勇気もある。 私のパートナーに欲しいくらいだ。 しかし、弱まったとは言えお前ごときはラクに潰せるぞ。」
エヴァちゃんは手を空中に掲げ光玉が現われる。
しまった、自信過剰だったか。
私は退路を探しつつエヴァちゃんの行動を探る。
「今日はちょっと急がしいんでな。 私はこれでおいとまするよ。」
言うとエヴァちゃんは歩きさっていった。
数分私はその場所で立ち尽くしていた。
理由はハッキリしていた、私は自分の力を慢心していた。
あの場で何か行動にでた場合、私はいとも簡単に倒されていただろう。
その証拠に普通だといったエヴァちゃん相手に睨まれただけで動きを封じられたのだ。
「ハッ!! ハァハァ・・・。」
やっと私は動けるようになったのだが、気分が悪くなり仕方なく寮へ戻る事にした。


寮に戻った私は気分の悪さに耐えられず、ベットに横になり睡眠をとることにした。


「・・・モ君!!」
「・・・ジョが喋った!?」
なんだが部屋が騒がしくなり私は目を覚ましてしまった。
どうやら、ネギ君とアスナが帰ってきたようだ。
体を起こしネギ君とアスナに話しかけようとすると。
「おおっ!! あそこのベットで寝ている姉さんも結構イケテルじゃないっすか!!」
不意になんか聞きなれない男の子の声が聞こえる。
「ああ、ダメだよ!!」
「コラ!! このエロオコジョ!!」
二人が叫ぶと同じに私の目の前に妙な影が現われるが
「グヘッ!!」
次の瞬間にはその変な影は私の手の中で苦しそうにタップをしている。
タップ? へ?
「くく、苦しい。 あ、姉さんギブギブ!!」
喋ってる? オコジョが?
その状態に信じられず。
「キャァァァーーー!!」
と、情けなく叫んで、オコジョを壁に投げつける。
「わわっ!! カモ君!!」
「ナイス!! 海里、体は大丈夫そうね。」
ネギ君は慌てて壁にへばりついているカモというオコジョに近寄り、アスナは親指を立てて良し!! といっている。
私もさっきの一連でサッパリ目が覚め、そのオコジョについてと今日の出来事をお互いに話す事になった。
今日私が目を覚ましてエヴァちゃんと遭遇したこと、皆勤賞をよくも潰してくれたこと。
アスナもエヴァちゃんと遭遇したらしく、同じような話しを聞いたらしい。
一方、ネギ君は昨日のことがトラウマとなり落ち込んでいたらしく、クラスのみんなに大浴場で元気つけられたらしい。
なんか、逆セクハラのような気がしてならないのは私だけだろうか。
「あのー、そろそろこの縄解いてくれませんか?」
話しの途中でさっきのカモというオコジョが話しかけてくる。
なんかアスナはカモを捕まえるなりヒモでグルグル巻きにした後吊るしてしまったのだ。
「で、アスナ、アレは何?」
カモのお願いを無視しつつ、アスナにカモの話しを聞く事にする。
すると、アスナはカモを睨みつつ話し始める。
話しを聞くと、このカモがとんでもない奴と言うのが分かってきた。
先ほど話したネギ君を元気つけるために大浴場で騒いだ際に、片っ端からクラスのみんなの水着をはいでいったのだという。
私は吊るされているカモをながめ。
「エロオコジョ。」
と一言、言った。
その後はなにも知らない木乃香が現われカモがいることに喜び、話にならなくなったので今日はココまでとなった。


夜遅くに、私はネギ君の掛け声で目を覚ました。
ネギ君は恥ずかしそうにモジモジとしている。
「? どうしたのネギ君?」
私は首をかしげ、ネギ君に話しかける。
すると、横からエロオコジョがあらわれ。
「まあ、なに姉さん。 ちょいと頼みたいことがありやしてね。」
まあ、いかにも何か企んでいますよって顔で言ってい来る。
話しを詳しく聞こうとするのだが。
「いや、ちょっとこの場では色々とネギ兄貴がマズイらしいので散歩でもしましょうや。」
といって外を散歩をすることとなった。
しばらく月夜と静寂の中をしていると、ネギ君が立ち止まり私に向き直る。
「やっと話す気になったかな、ネギ君?」
すると、ネギ君は顔を伏せながら話しかけてきた。
「・・・・・になってください。」
よく、聞き取れなかった。
もう一度聞こうとネギ君に話しかけようとすると
「まあ、簡単な話しエヴァとかいう奴をやっつけるためパートナーになって欲しいってわけだよ。」
私の肩に乗っているエロオコジョがそう耳元で言う。
ついでに、そのパートナーになる方法まで耳元でささやく。
「き、キス!?」
流石に私も、その言葉には驚いた。
「あぅぅぅ。」
ネギ君は私の表情をみて泣きそうな顔をしている。
肩にいるエロオコジョも「頼みます、兄貴の命のためです。」などといっている。
私も、抵抗があったため「アスナはどう?」などと言ったのだがどうやらもう既に断られたらしい。
そうなると私しか残っていない。
「フウ、しょうがないわね。」
私は肩を落とし、ネギ君の顔へと自分の顔を近づける。
その時足元から、光った魔方陣らしきものがあらわれ妙な気分になる。
ネギ君は申し訳なさそうな顔をしている。
どうも、私もそんな少年にキスをするのには抵抗があるので
「ネギ君、ひとつ言っとくけど私は嫌いな奴とはこんなことはしたりしないよ。」
「えっ?」
ネギ君が驚いた瞬間に契約は終った。


この月夜より私は魔法使いのパートナーとなり更に無茶苦茶な日々に巻きこまれる。
しかし、私はなんとかなるだろうと、根拠のない自信がわいていた。


別談
「フウ、終ったの?」
とキスを終え、横にいるエロオコジョをみると。
「ギャーーー!! すいません、すいません!!」
カモはいなかったハズのアスナに片手で押しつぶされている。
「このエロオコジョーーーーー!!」
月夜にアスナの声が響き渡る。
私とネギ君はその場をポケーっと見ているだけであった。


第八話「仮契約」完